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日本人のメル友が明かす金正男氏の素顔…五味洋治著「父・金正日と私 金正男独占告白」

金正男氏とメル友になった五味さん。出版後メールは途絶えているが、正男氏から本の感想が届く日は来るのだろうか

 昨年12月に急死した北朝鮮の金正日総書記の長男、金正男氏(40)との150通のメール対話と2度の単独インタビューをまとめて公開した東京新聞編集委員、五味洋治さん(53)の父・金正日と私 金正男独占告白(文芸春秋、1470円)が話題だ。正男氏の心は開かせたが、出版には完全な承諾を得ぬまま踏み切った。発刊後、メール交換は途絶えているが、五味さんの取材によると、どうやら正男氏本人もこの本を読んだらしい。

 どうやって、正男氏とメル友になれたのか。2004年9月、北京国際空港に現れた正男氏を偶然取材できた日本からの特派員は五味さんだけではなかった。しかし、北朝鮮の現体制への批判のみならず、お互いの家族や健康のことまで会話ができるようになった記者はほかにはいない。

 「特に僕に取材力とか人間的な魅力があったわけではなく、単に正男氏に関心があったということです。(後継者争いからは)すでに脱落してるし(報道関係者の間で)『遊び人の話を聞いても仕方ない』というムードもあった。しかし、偶然会った時から礼儀正しく、義理堅く、フレンドリーな人。チャンスがあれば何かしゃべってくれるんじゃないかな、と思いました」。始まりは好奇心。諦めずにコンタクトを取り続けた結果が、一冊の本になった。

 「友達としての彼は本当にいい人」と五味さんは言う。本書には、これまで5回来日したという正男氏が新橋のおでん屋によく行ったことや、赤坂の高級クラブで遊んだエピソードが明かされている。ミサイル実験などについて父・正日氏に直言したとも。しかし、完全に気を許してくれたわけでもない。「父親の健康状態、ロイヤルファミリーや軍の人間関係とかなど、微妙は話は一切答えなかった」。マカオでの生活の資金源についても明言していない。

 メール交換は今年の1月3日、正男氏から3代世襲に反対する内容が届いたのが最後。出版については「父の死後、喪に服す100日が過ぎるまで待ってほしい」との意向を示されたが、刊行に踏み切った。父が死去したタイミングで、発表したい気持ちを理解してくれると信じたからだった。

 五味さんが得た情報によると正男氏も一読したようだが、連絡はない。国家的事業となる故・金日成主席生誕100周年記念(4月15日)以降、メールを送るつもりだという。「まず謝らないといけないでしょうね。でも『たくさんの人が読んでくれてあなたのファンが増えましたよ』という報告はしたいですね」

 ◆五味 洋治(ごみ・ようじ)1958年7月26日、長野県茅野市生まれ。53歳。早大第一文学部卒。83年に東京新聞(中日新聞東京本社)に入社。社会部、政治部などを経て韓国・延世大に語学留学。ソウル支局、中国総局、米ジョージタウン大客員研究員を経て現在、東京新聞編集委員。著書に「中国は北朝鮮を止められるか」など。

 [新刊レビュー]

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(2012年2月14日06時00分  スポーツ報知)

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