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◆男子プロゴルフツアー最終戦 報知新聞社主催日本シリーズJTカップ最終日(6日、東京よみうりCC、7016ヤード=パー70) 石川遼(18)=パナソニック=が世界最年少賞金王の座についた。22位から5バーディー、1ボギーの66と意地を見せ、通算3オーバー19位。今季の獲得賞金を1億8352万4051円に積み上げ、1973年当時26歳だった尾崎将司の記録を塗り替えるだけでなく、世界6大ツアーで最年少となる18歳2か月19日でのマネーキングとなった。
日の光とともに注ぐ大歓声を聞き、石川は思った。18番グリーンを囲む劇場型の観客席で響く拍手の嵐。「ゴルフをやっていて良かった」―。ボールをカップから拾い、サングラスと赤いハンチングを手に取ると、深く、深く頭を垂れた。
「感無量です。こみ上げてくるものがあった。今まで作ったどんな記録よりも実感がある」。昨年1月10日のプロ転向から2年目の2009年。6月のミズノオープンよみうりクラシックで今季初優勝を飾ると、破竹の勢いでその後3勝。23歳の池田勇太としのぎを削り“遼勇新時代”を築いた。11月の三井住友VISA太平洋で賞金ランク首位の座を奪い返し、最後は約2500万円の大差をつけた。師と仰ぐ尾崎将司の記録どころか、世界6大ツアーの最年少記録も更新。平均ストローク、バーディー率など5冠に輝いた。
プロゴルファーを志した小学4年生当時。ノートに「ゴルフ漫画」を描きためた。主役は自分。伊澤利光を、片山晋呉を18番で劇的に逆転し優勝する場面を描き続けたが、賞金王に輝くページはなかった。当時は想像すらできなかった「夢のまた夢」への到達。しかしそれは誰よりも固い信念の産物だった。
3年前。高校卒業後のプロ転向を描いていた石川父子は「高校3年間はショットのスイングづくりをしよう」と決断した。目先のジュニアタイトルに飢え、アマチュア用の短い芝や遅いグリーンでアプローチ、パットを極めても、先は見込めない。その姿勢は07年マンシングウェアKSBカップを15歳8か月の史上最年少で制し、プロに転向しても変わらなかった。「もっとショートゲームを練習しては」と助言されても、高校3年生になった今年も愚直にドライバーを振り続けた。
米ツアーデビューを果たした今季は、1月の欧州対アジアの対抗戦、ザ・ロイヤルトロフィーから海外で10試合に出場。日本を8度も離れた。自宅の部屋には、メジャーに出場するたびに購入したテディベアが並んだ。
4月に出場したあこがれのマスターズ。特別推薦でオーガスタナショナルGCの芝を踏んだが、予選落ちに終わった。ダブルボギーをたたいた第2日16番パー3のバンカーショットは、今も頭から離れない。だが挫折は原動力になった。
「出場して満足したのではなく、悔しいと思って日本に帰ってこられた。この悔しさが続く限り、厳しい練習ができる。それが今週まで続いていたんだと思う」。8月の全米プロからは、海外を含め今大会まで17週連続出場。10月のプレジデンツカップでV・シン(フィジー)ら世界選抜の超一流選手が「ありえない」と目を丸くした強行日程だったが、予選落ちは一度もなかった。「シーズンを戦いながら、体力をつけなければならない」という仲田健トレーナー(40)の指導の下、試合後のトレーニングを欠かしたこともなかった。
「世界」はぐっと身近になり、“道場”と呼ばれる自宅近くのトレーニングルームには、自身の世界ランキングの変遷を示す表が掲示してある。賞金王に輝き、世界ランクも今年最終週の50位以内が確定。マスターズをはじめ、来季のメジャー4大会の出場権を自力で獲得した。今度は日本のエースとして世界を相手にする。「来年は、絶対に今年以上の努力をしたい」。王様への階段を全速力で駆け上がった王子は、東京の冬空に高らかに誓った。
(2009年12月7日06時01分 スポーツ報知)
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