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◆第86回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=報知新聞社後援)(2日、東京・読売新聞社前-神奈川・箱根町、5区間108・0キロ) 新・山の神、再び降臨―。東洋大が5時間32分2秒で2年連続往路を制し、V2に王手をかけた。首位の明大と4分26秒差の7位でタスキを受けた5区の柏原竜二(2年)が、1時間17分8秒の驚異的な区間新を樹立。昨年自らが作った記録を10秒塗り替え、大逆転の立役者に輝いた。2位は山梨学大、3位は日体大。復路は3日午前8時に箱根・芦ノ湖をスタート。東洋大は3分36秒のリードを持って東京・大手町のゴールを目指す。(天候・快晴、気温4度、湿度37%、西の風2・9メートル=スタート時)
誰も近寄らせない。みなぎる気迫。力強いピッチ。新・山の神を超越した“山の絶対神”が、勝利の足音を響かせて芦ノ湖に戻ってきた。鬼の形相を緩ませ、Vサインを掲げてゴール。高低差864メートルの過酷な山を征服した柏原が、またも区間新で東洋大に往路逆転Vをもたらした。
4区の世古浩基(4年)からタスキを受けた時点で首位の明大と4分26秒差の7番手。それでも前回の箱根より差は小さかった。3・8キロで日大をかわすと、4・3キロで早大、山梨学大を撃沈。平地からエンジン全開で3人を抜く。上り始めれば強さは別次元。10キロで日体大もかわした。
12・7キロでは急カーブで明大・久国公也(4年)の表情をチラ見して抜き去った。「タメているのかと思った。その様子もなかったので、行っちゃえと」。前回箱根でトップに立った21・6キロより9キロも前で指定席を占め、後続を置き去りにした。
「昨年の記録には絶対負けたくなかった」。追う展開で区間新を樹立した前回と違い、半分近くが一人旅。後半は0・7メートルの向かい風もねじ伏せた。終盤は硬くなってきた左右の太ももをパンパンたたいて「気合を入れ直し」、一度は落ちた区間新ペースを苦手な下り坂で取り戻した。
運営管理車から見続けた酒井俊幸監督(33)は「上りでも腰が落ちないバランスの良さ、上下動のタイミング」などに成長を実感。何よりも、標的が消えた後の踏ん張りを高く評価した。
2年目の挑戦。「自分の中ではいろいろな戦いがあった」。柏原は打ち明けた。昨年の活躍で注目を浴び、歩いているだけで指をさされるなどストレスに耐えた1年。だが「それも優勝したからこそ味わえるもの」とプラスに考え、精神面でも進化を見せた。
福島・いわき総合高時代は無名だった原石にいち早く目を付け、母校・東洋大に知らせたのが当時、学法石川高の指導者だった酒井監督。同じレースを走ったこともある同郷の恩師とは、今春から本物の師弟関係となった。「監督を胴上げするために頑張ってきた」
陸上部員の不祥事があった昨年は自粛した勝利の儀式へ、チームは3分36秒の貯金を持って復路を迎える。平成に入ってから、3分以上のリードで優勝を逃したチームはない。「明日も東洋らしいレースをしてくれると思う」。次は“柏原祭り”で奮い立った仲間がV2を決める番だ。
◆5区の連続区間賞 過去に2年連続で獲得したのは16人。柏原で通算17人目となる。そのうち、3年連続まで伸ばした選手は1925~27年の明大・八島健三から05~07年の順大・今井正人まで計5人。4年連続となると、74~77年の大東大・大久保初男ただ1人しかいない。
◆前回5区VTR 首位の早大と4分58秒差の9位でタスキを受けた東洋大の柏原は、最初の5キロを14分台で突っ込み、次々と前の選手をとらえた。19.3キロでトップの三輪も追い抜き、その後は苦手な下りで並ばれたが、21.6キロで再び突き放し独走でゴール。07年に順大・今井正人(現トヨタ自動車九州)の区間記録を47秒更新する1時間17分18秒、5区の最大差逆転記録も樹立して、往路初Vへ導いた。
(2010年1月3日06時01分 スポーツ報知)
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