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スピードスケート男子500メートルの元世界記録保持者の加藤条治(25)=日本電産サンキョー=が8日、本番レース(15日)を目前に厄介なスタート難に陥った。リッチモンド五輪オーバルリンクでの記録会に出場したが、スタートに失敗して途中棄権。五輪前最後の実戦レースでの想定外の事態に、2週間前から「説明しにくい」スランプに直面していることを告白した。
わずか2歩でパンクしてしまった。号砲と同時に勢いよく飛び出す。だが、2歩目で左足をおいたところで上体がグラリ。「最悪の結果。スタート、だめでしたね。やっぱり。何もできなかったっス」。加藤は大きなため息をつきながら首を横に振った。
インとアウトを区別する腕章がずれ落ちそうになる不運にも見舞われた。第1コーナーの出口で右腕の赤い腕章がズルリ。危険と判断してレースをあきらめた。レース後は何度も他選手の号砲に合わせてスタート練習を繰り返したが、すべて失敗していた。
得意のコーナーにいきつく前に、つまずいてしまう状態に陥っている。「案の定」という言葉も口を突くほど、深刻な状況のようだ。1月31日の現地入り前のカルガリー合宿での記録会でも同様にリタイア。この時はスタートから90メートルを過ぎた付近でバランスを崩した。「前回トライアルの2週間前からこういう状態。これが本番じゃなくて良かったけど、この状況はヒドい」と加藤。原因については「説明できないけど、バランスが取れない。よく分からない」と首を振った。
身長165センチと小柄ながら天才的なコーナーリングでトリノ五輪前年の05年に世界記録(34秒30)を出した。武器のコーナーリングに加え、直線でのパワーを求めて肉体を改造。ここ2年はピークへの持っていき方を探ってきた。爆発的な力を出せる馬力はついたが、一方で調整が難しいもろ刃の肉体を手に入れた。
日本選手団の鈴木恵一総監督(67)は心技体が一致していないと指摘し「無の境地になれ! 神経質になりすぎている」とゲキをとばした。15日まであと1週間だが「そうならないようにやるしかない」と加藤。“棄権な条治”のままでは、本番でも大きな危険が待っている。
(2010年2月10日06時02分 スポーツ報知)
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